「ホームページを作りたいんですが、どれがいいですか?」——よく聞かれる質問です。でも正直に言うと、どれが一番いいかは決まっていません。何を大事にするかで答えが変わるからです。この記事では、4つの作り方を正直に比べます。私の仕事に有利な書き方はしません。
まず、よくある勘違いから
ご相談を受けていると、何度か同じ場面に出会います。「ノーコードで作りたいんです」とおっしゃる方に理由を伺うと、「AIで作る」と「ノーコードで作る」を、二者択一だと思っていたというケースです。
ノーコード=どこで作って、どこに置くか(場所の話)
AIで作る=誰が作業するか(進め方の話)
この2つは、比べるものではありません。ノーコードの画面を使いながら、文章はAIに書いてもらうこともできます。「和食か、電子レンジか」と聞かれているようなもので、そもそも軸が違うんですね。
ここを整理したうえで、実際の選択肢を見ていきましょう。
① ノーコード(WIX・STUDIO・ペライチなど)
プログラムを書かずに、画面上でパーツを置いて作るサービスです。
いいところ:早い。管理画面から自分で更新できる。サーバーの管理を考えなくていい。無料で試せるものが多い。
気をつけるところ:月額を払い続けている間だけ、サイトが表示されます。そして最大の注意点が、そのサービスの外へサイトを持ち出せないことがほとんどだということ。数年後に「別の方法に変えたい」と思っても、作り直しになります。無料プランだと広告が入ったり、URLがサービス名入りになったりします。
向いている人:とにかく早く公開したい。自分でどんどん更新したい。デザインは用意された型で十分。
② WordPress(ワードプレス)
世界で最も使われているCMS(自分で更新できる仕組み)です。サーバーを借りて、そこに設置して使います。
いいところ:ブログ記事を増やしやすい。デザインも機能も後から拡張できる。データを丸ごと持ち出せるので、別のサーバーへ引っ越せます。使える人が多いので、頼める相手も見つけやすい。
気をつけるところ:放置できません。本体やプラグイン(追加機能)の更新をしないと、乗っ取りの危険があります。表示が遅くなりがちで、対策には知識が要ります。「作ったきり3年放置」は、実はけっこう危ない状態です。
向いている人:記事を継続的に書く。ページ数が多い、または増えていく。保守を任せられる人がいる、または自分で調べられる。
③ AIで作る(静的なホームページ)
ChatGPTやClaudeなどのAIを使って、HTMLという素のファイルを作り、それをそのまま置く方法です。私がこのサイトを作っている方法でもあります。
いいところ:表示がとても速い(余計な仕組みが動いていないため)。月々の固定費がほぼかからない(サーバー代が無料〜数百円)。デザインの自由度が高い。ファイルがそのまま手元にあるので、どこへでも持ち出せます。更新も乗っ取りの心配もほとんどありません。
気をつけるところ:管理画面がありません。文章を直すにはファイルを編集して、置き直す作業が必要です。慣れれば数分ですが、最初は戸惑います。そしてブログを毎週書きたい人には向きません——記事を増やすたびに作業が発生するからです。頼める相手もまだ少なめです。
向いている人:ページ数が少ない(1〜10ページ程度)。更新頻度は月に数回まで。月々の固定費を抑えたい。見た目にこだわりたい。
④ 制作会社に頼む
要望を伝えて、まるごと作ってもらう方法です。中身はWordPressのことも、ノーコードのことも、オリジナル開発のこともあります。
いいところ:自分の作業がほぼ不要。写真撮影、文章作成、ロゴまで含めて任せられることも。困ったときの窓口がある。
気をつけるところ:費用が大きい(数十万円〜)。小さな修正でも依頼と費用が発生することが多い。そして一番注意したいのが、ドメインやサーバーが制作会社の名義になっているケースです。これだと、後で別の会社へ移りたいときに苦労します。ドメインは必ず自分の名義で取りましょう。
向いている人:予算がある。自分の時間を使いたくない。規模が大きい、または特別な機能が必要。
4つを表で比べる
| ノーコード | WordPress | AIで作る | 制作会社 | |
|---|---|---|---|---|
| 初期の費用 | 0円〜 | 数万円〜 | 0円〜数万円 | 数十万円〜 |
| 月々の費用 | 1,000〜3,000円台 | 数百〜2,000円台 | 0〜数百円 | 作り方による |
| 自分で更新 | ◎ 管理画面あり | ◎ 管理画面あり | △ ファイルを編集 | × 依頼が必要 |
| 記事を増やす | ◎ | ◎ | △ 手間がかかる | × 都度費用 |
| 見た目の自由度 | △ 型の範囲内 | ○ | ◎ | ◎ |
| 表示の速さ | △ | △ 対策が必要 | ◎ | 作り方による |
| 保守の手間 | ◎ ほぼ不要 | × 更新が必須 | ◎ ほぼ不要 | ◎ 任せられる |
| 持ち出せるか | × ほぼ不可 | ◎ 可能 | ◎ 可能 | △ 契約による |
スマートフォンでは、表を横になぞるとすべての列を見られます
※費用はおおよその目安です。プランや依頼内容によって変わります。
選ぶときの3つの質問
迷ったら、この3つに答えてみてください。ほとんどの場合、これで絞れます。
質問1:記事やお知らせを、どのくらい書きますか?
週1回以上書くなら、WordPressかノーコード。管理画面から追加できることの価値が大きいです。
月に数回、または滅多に更新しないなら、AIで作るか制作会社。会社案内やサービス紹介が中心なら、頻繁な更新はそもそも不要です。
質問2:5年後も、同じ形で持っていたいですか?
ここがいちばん見落とされる質問です。
「とりあえず今」ならノーコードで十分。でも「長く育てたい」なら、持ち出せる形——WordPressかAIで作る方法を選んでおくと、後悔しにくくなります。ノーコードは、あとで移そうとすると作り直しになるからです。
質問3:毎月いくらまでなら、ずっと払えますか?
月3,000円は、10年で36万円です。初期費用が安くても、月額が続けば逆転します。
逆に、初期に少しかけても月々が数百円で済むなら、長く持つほど有利になります。「安い」の意味を、初期費用だけで判断しないのがコツです。
私の場合の話
このサイト(momodeji.com)は、AIで作る方法で運用しています。理由は3つ。表示が速いこと、月々の固定費がほぼゼロなこと、そして見た目を思いどおりにできること。
でも、これが誰にとっても正解だとは思っていません。実際、お客様にWordPressをおすすめすることもありますし、「その内容ならノーコードで十分ですよ」とお伝えすることもあります。週に何本も記事を書く方に、ファイルを編集する方法をすすめるのは不親切ですから。
大事なのは、作り方を先に決めないことです。「何を、どのくらいの頻度で、いつまで続けたいか」——そこが決まれば、作り方は自然に絞られます。
よくある質問
ノーコードとAIで作るのは、どちらが良いですか?
この2つは比べるものではありません。ノーコードは「どこで作って、どこに置くか」という場所の話で、AIで作るのは「誰が作業するか」という進め方の話です。ノーコードの画面でAIに文章を書いてもらうこともできます。
ブログを頻繁に書きたい場合、どの作り方が向いていますか?
WordPressかノーコードが向いています。管理画面から記事を追加できるためです。AIで作る静的なサイトは、ページを増やすたびに作業が必要になるので、更新頻度が高い場合は不向きです。
後から別の作り方に乗り換えられますか?
文章と画像は持ち出せますが、デザインやページの作りはそのまま移せないことがほとんどです。特にノーコードサービスは、そのサービスの外にサイトを持ち出せない場合が多いため、契約前に確認することをおすすめします。ドメインを自分の名義で取っておけば、URLだけは変えずに引っ越せます。
一番安く済むのはどれですか?
初期費用だけならノーコードの無料プランですが、独自ドメインや広告非表示にすると月額が発生します。長く持つ場合は、初期費用がかかっても月々の固定費が小さい方法のほうが、数年単位では安くなることがあります。
まとめ
- ノーコードとAIは対立しない——場所の話と、進め方の話
- 更新の頻度で、まず半分に絞れる——週1以上ならCMS系、月数回ならそれ以外
- 「持ち出せるか」を必ず確認する——5年後に困らないために
- ドメインは自分の名義で——これだけは、どの方法を選んでも共通
ホームページまわりの言葉は、ホームページ用語をやさしく解説にまとめています。あわせてどうぞ。